NISAもiDecoも同じ非課税で資産形成を行う制度ですが、何が違うのか気になりますよね。
どちらの制度を利用するのが向いているのか知りたいところです。
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NISAの特徴
NISAは2014年にスタートし、少額から始められ特定の口座を通じて投資信託や株式などに投資を行い、運用で得た利益が非課税になる制度です。
2016年にジュニアNISA、2018年につみたてNISAが始まりましたが、2024年にこれまでの制度を統合した新NISAがスタートしています。
新NISAはつみたて投資枠、成長投資枠の2つの投資枠があり併用も可能です。
つみたて投資枠は年間120万まで、成長投資枠は240万円までとなっており、併用もできるので最大360万円まで投資することが可能です。
また、非課税保有期限がなくなったので、無期限で運用益に税金がかかりません。
ただし非課税保有額には限度があり最大で1800万円(うち1200万円は成長投資枠)までとなります。
新NISAについての下記記事も参考にしてみてください。
2024年1月から新NISAが始まりましたね。 旧NISAと制度が変わった部分も多いので、よく分からない人も多いのではないでしょうか。 わかりやすく解説していきます。 最後に、新NISAを始めようとする初心者向けにおすすめの証券会社も[…]
iDeCo(確定拠出年金)の特徴
iDeCoとは私的年金制度の1つで、自分で設定した掛金を拠出して運用し、資産を形成します。
原則20歳以上65歳未満の方が加入でき、掛金は65歳になるまで拠出(※1)できます。
iDeCoの掛金は月々5,000円からで職業により上限額が変わり、
- 掛金の設定は毎月同じ額を設定
- 月ごとに設定する
の2種類から選ぶことが可能。
また、iDeCoで積み立てたお金は一時金としてまとめて受け取るか、年金として5年以上20年以下の範囲で期間を決め分割して受け取るか、一時金と年金を併用して受け取るかを選択することができます。
他にも所得税・住民税の負担軽減、運用益の非課税などの税制優遇があります。
(※1)年金や保険の加入者が運営者に対して、掛金を払い込むこと。
NISAとiDeCoを7つの項目で比較
NISAは投資信託などの利益が非課税になる制度で、iDeCoは毎月掛金を払い老後に向けての資産形成を行う制度です。
それぞれどのように違うのか項目ごとに比較してみましょう。
興味のあるところをクリックするとその部分に飛びます。
①対象者・年齢で比較
対象年齢 | 対象者 | |
NISA | 18歳以上 | 日本居住者に限る |
IDeCo | 基本的に20歳~60歳 | 国民年金の第2被保険者や国民年金に任意加入している60~65歳未満の方も加入可能 |
②運用期間で比較
NISA | 無期限 |
iDeCo | 加入から65歳まで(最長75歳まで) |
※IDeCoは60歳あるいは65歳以降の新規の掛金拠出は不可
③年間投資上限額で比較
年間投資上限額 | ||
NISA | ①つみたて投資枠 120万円 ②成長投資枠 240万円 併用した場合360万円まで |
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IDeCo | 自営業者・個人事業主 | 816,000円 |
会社に企業年金がない人 | 276,000円 | |
企業型DC(確定拠出年金)のみ加入している人 | 月額55,000円から企業型DCの掛金額を引いた額 月額20,000円まで |
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企業型DCとDBに加入している会社員 | 月額27,500円から企業型DCの掛金額を引いた額 月額12,000円まで |
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DBのみ加入している会社員 | 144,000円 | |
公務員 | ||
専業主婦(夫)(国民年金第3号被保険者) | 276,000円 |
※企業型DC(確定拠出年金)のみ加入している人、企業型DCとDBに加入している会社員の方は毎月拠出のみで年単位拠出は選択不可
④対象商品で比較
NISA | つみたて投資枠 | 一定の要件を満たした投資信託 |
成長投資枠 | 上場株式、投資信託など | |
iDeCo | 定期預金や保険商品等、投資信託 |
⑤税制優遇で比較
NISA | 運用益が非課税 |
iDeCo | ・積立の掛金の全額所得控除 ・運用益が非課税 ・分割受取の場合公的年金等控除の対象 ・一括受取の場合退職所得控除の対象 |
⑥引き出し可能時期で比較
NISA | いつでも引き出し可能 |
iDeCo | 原則60歳まで引き出し不可 |
⑦手数料で比較
NISA | ・口座管理手数料は無料 ・購入時手数料や売買手数料がかかる場合あり |
iDeCo | ・加入・移換時手数料 2,829円(初回のみ) ・口座管理手数料(国民年金基金連合会) 105円(毎月) ・口座管理手数料(事務委託先金融機関) 66円(毎月) ・運営管理手数料は金融機関により異なる ・受取時手数料:440円(振込の都度) |
NISAとiDeCoは併用することができる
NISAとiDeCoのそれぞれの目的や特徴が違うことが分かりましたが、実は併用することが可能です。
活用方法が年齢や収入、ライフステージ、資産によって異なります。
収入がそれほど多くなく、資産形成が十分にできていない場合、NISAのつみたて投資枠を活用して資産を効率よく増やし、資産に余裕が出てきたらiDeCoへの加入を検討してみましょう。
収入が多い方は税金の負担も大きくなるのでiDeCoの税制優遇を活かせます。
そして税制優遇で節税できた分をNISAで投資するという方法もあります。
NISAとiDeCoどちらを選べばよい?
NISAとiDeCoにはそれぞれ特徴があり、どちらを選べば良いか迷う人もいるのではないでしょうか。
迷った時は、2つの制度の内容を整理してどちらが目的と合っているか検討してみると良いでしょう。
NISAが向いている人
- 資産があまり多くない人
- 老後資金以外の資金を蓄えたい人
- 必要な時にお金を引き出したい人
iDeCoが向いている人
- 所得や住民税の控除を受けたい人
- 老後資金を貯めたい人
- 貯蓄が苦手な人
こんな人は注意!iDeCoを始められない人5選
iDeCoは私的年金として老後資金を貯めるのに魅力的な制度ですが、全ての方が利用できるわけではありません。iDeCoを始められない人はどんな人なのでしょうか。
①国民年金に未加入、未納がある人
iDeCoは国民年金の保険料を支払っている人が加入できる条件になっています。
そのため、国民年金の未納者や免除者(障害基礎年金の受給権者は加入対象)、一部免除、学生納付特例の適用者も加入対象外です。
ただし、iDeCo加入時に国民年金の保険料を支払っていれば加入することができます。
②国民年金の任意加入をしていない海外居住者
20~65歳未満の海外居住者で、国民年金の任意加入をしていない人はiDeCo加入の対象外になります。
③農業者年金に加入している人
農業者年金は、年間60日以上農業に携わる20~60歳未満の人、もしくは60歳以上65歳未満の国民年金任意加入被保険者が加入できる確定拠出年金です。これに加入している人はiDeCo加入の対象外になります。
④企業型確定拠出年金でマッチング拠出を利用している人
企業型確定拠出年金は、企業が拠出する掛金に上乗せして、自身でも掛金を拠出できるマッチング拠出という制度があります。その制度を利用している人はiDeCo加入の対象外になります。
⑤65歳以上の人
iDeCoは64歳まで加入できる制度なので65歳以上の人は加入対象外になります。
NISAとiDeCoの違いについてよくある質問
NISAとiDeCoの違いについてよくある質問を集めてみました。
iDeCoとNISAはどちらを先に始めるべきですか?
iDeCoとNISAどちらを先に始めたら良いかは、NISAをおすすめする人が多くなります。その理由はiDeCoは始めたくても始められない人がいます。また年齢に縛られずにお金を引き出せる自由度がNISAの方が高いので。
専業主婦はiDeCoとNISAのどちらが向いていますか?
専業主婦の方にはNISAの方が向いていると言えます。収入のない専業主婦がiDeCoに加入すると、所得税や住民税は軽減されないのに口座管理手数料が毎月かかってしまうためです。
iDeCoとNISAは死亡時にどうなりますか?
NISAで運用していた人が亡くなった場合には、相続人の「課税口座」で引き継ぐことができます。またiDeCoの場合には、「死亡一時金」を受け取ることができます。
イデコとニーサは両方できますか?
iDeCoとNISAは両方同時に利用して、資金を運用することができます。iDeCo(イデコ)では所得控除が受けられます。NISAでは売却益、配当金、分配金などが非課税で受け取ることができます。両方に投資をすることで節税効果が倍増しお得になります。